新刊速递丨中世武家儀礼の研究(PDF) | 中世武家儀礼の研究 |
| 作者 | 二木謙一 |
| 出版商 | 吉川弘文館., 1985 |
| 出处: | 密歇根大学 |
| 数字化处理时间 | 2007年5月2日 |
| ISBN | 4642025324, 9784642025324 |
| 页数 | 510页 |
内容紹介
室町期には武家の身分的な格式が形成され、生活全般にわたる慣習が故実として発達した。本書は年中行事、栄典授与、武家故実の発達など、武家儀礼の体系的研究を通して、幕府の権力構造や性格にまで説き及んでいる。
選評
思想・歴史 1985年受賞
国学院大学文学部助手、同大学日本文化研究所研究員を経て、現在、国学院大学文学部教授。著書:『関ヶ原合戦』(中央公論社)、『大坂の陣』(中央公論社)など。 今年の授賞作が武田佐知子さんの『古代国家の形成と衣服制』と共に、この二木謙一氏の『中世武家儀礼の研究』に決定したことは多くの暗合をもっているように思われる。 ここ数年間、歴史部門では、阿部謹也氏の『中世を旅する人びと』をはじめ、西洋中世史の分野から授賞作がでた。それには二つの意味があったと考えられる。一つは政治史、思想史、経済史といった問題関心から、社会史、風俗史、生活史といった領域への移行である。それにはヨーロッパ史学の最近の問題関心からの影響もあったろう。第二は、近代史から近代史以前への問題関心の移行である。戦後ながく近代化が圧倒的な問題関心であり、共通の出発点であった時期は、近代化が実現したことによって崩れたのである。 近代以前への関心は、ポスト・モダンといわれる脱近代としての現代への関心と照応する。ポスト・モダンの問題自体、前近代からむしろ多くの示唆を受けるはずである。 今回の受賞者 武田佐知子氏が古代の衣服制にテーマを設定したこと、二木謙一氏が中世の武家儀礼にテーマを設定したことも、こうした大きな流れのなかでの問題意識の現れであろう。 しかも衣服が単なる服飾としてでなく、その衣服をまとう人間の社会、国家的秩序との関連が注目されており、儀礼が単なる儀礼ではなく、そうした儀礼を必要とした武家社会の構造、生活秩序、格式づけとの関連に注目していることは、きわめて面白い現象である。 二木謙一氏はすでに『関ヶ原合戦』、『大坂の陣』を公刊され、一般読書人向けの書物で、その見事な歴史叙述、豊かな才筆を実証してみせた気鋭の歴史学徒である。そのイメージ豊かな構成力は作家と対抗できる文章表現といってよい。 その二木氏が専門分野で問うた本格的著作が本書である。 国学院大学出身の同氏は、桑田忠親、高柳光寿という先師に師事し、室町時代の年中行事から研究生活をスタートし、やがて武家儀礼の基本がすべて室町期にあることに気づき、さらに伊勢流、小笠原流といった武家故実に興味をもち、さらに中世神事の世界に関心を拡げていった。民俗学、宗教学、人類学、社会学といった学際的影響を受けながら、研究生活を進めた同氏は、最後に「室町幕府の格式と栄典授与」というテーマに、儀礼研究を収斂させて、本書を構成する研究業績をまとめたのであった。 日本史研究の新しい息吹きが、こうした方向で、また私学のなかから出てきたことは、今後の日本史を更新する豊かな可能性を期待させる。同氏の大成を祈りたい。サントリー学芸賞とは
受賞者一覧・選評広く社会と文化を考える、独創的で優れた研究・評論を行う個人を顕彰広く社会と文化を考える独創的で優れた研究、評論活動を、著作を通じて行った個人に対して、「政治・経済」「芸術・文学」「社会・風俗」「思想・歴史」の4部門に分けて、毎年「サントリー学芸賞」を贈呈しています。1979年の本賞創設以来、第47回(2025年度)までの受賞者は395名を数え、これらの受賞者の業績は、主題への斬新なアプローチ、従来の学問の境界領域での研究、フロンティアの開拓などの点で高く評価されています。従来、評論・研究活動を幅広く顕彰する賞は少なく、既存の枠組にとらわれない自由な評論・研究活動に光を当てることは、本賞の重要な役割となっています。選考方法「政治・経済」「芸術・文学」「社会・風俗」「思想・歴史」4部門それぞれに選考委員会を設け、各部門の選考委員による推薦および選考により受賞者とその作品を決定します。正賞・副賞正賞として楯、副賞として300万円を贈呈します。選考対象前年1月以降に出版された日本語による著作で、選考にあたっては、個性豊かで将来の期待される新進の評論家、研究者であること、本人の思想、主張が明確な作品であることに主眼が置かれます。また代表候補作品だけでなく、これまでの一連の著作活動の業績を総合して選考の対象とすることもあります。2025年度 第47回サントリー学芸賞 受賞者一覧『就職氷河期世代 ─ データで読み解く所得・家族形成・格差』『模索するNATO─ 米欧同盟の実像』および『はじめての戦争と平和』『無意味なんかじゃない自分 ─ ハンセン病作家・北條民雄を読む』『比婆荒神神楽の社会史 ─ 歴史のなかの神楽太夫』『米原昶の革命 ─ 不実な政治か貞淑なメディアか』『ユダヤ人の歴史 ─ 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで』を中心として『日々賭けをする人々 ─ フィリピン闘鶏と数字くじの意味世界』