WAIC
2026

7月17日から20日にかけて、2026世界人工知能大会(WAIC 2026) が、上海の上海世博展覧館、張江科学会堂、西岸国際会展センターの3会場・4展示館で同時開催された。
4日間にわたる会期中には、1000社を超える企業が参加し、3000件以上の最先端技術・イノベーション製品を展示。そのうち300点以上が世界初公開となった。
数ある展示の中でも、大会が選出した「十大鎮館之宝(十大注目展示)」は、今年のWAICを象徴する存在として大きな注目を集めている。
以下、その概要を紹介する。
曙光(Sugon)
「曙光8000(登峰)」

「曙光8000(登峰)」は、中国独自技術によって構築された10万GPU級のAIスーパーコンピューティングクラスター。
「超智融合(Super Intelligence Integration)」アーキテクチャを採用し、従来のシステム分割方式を見直すことで、科学計算とAI計算のネイティブ統合を実現した。FP64からINT8まで幅広い演算精度に対応し、科学計算、大規模AIモデルの学習、AI推論、産業シミュレーションなど多様な用途に活用できる。
AIインフラを構成する半導体、コンピューティング、ストレージ、ネットワーク、冷却技術、ソフトウェア、サービスまでを自社開発している点も特徴だ。現在までに300件以上のアプリケーション最適化を実施し、20を超える分野で活用されているほか、中国国家スーパーコンピューティング・インターネットにも接続され、研究機関や大学、企業、個人向けに計算資源を提供している。同システムの稼働開始は、中国のAIインフラが10万GPU級時代へ本格的に移行したことを象徴する成果と位置付けられている。
アントグループ
「ロボット・スマート薬局」

実際の調剤薬局を再現した環境に、異なるタイプのロボット3台を導入し、それぞれに自社開発のEmbodied AI基盤モデル「LingBot-VLA」を搭載。
注文受付から薬の取り出し、梱包までの一連の作業を、複数のロボットが連携しながら自動で行う。
さらにオンライン診療システムとも連携し、診療・健康相談から医薬品の購入、処方箋との連携、ロボットによる調剤・取り出し、梱包までを一貫して行うスマート医療サービスを実現している。
一連の工程は約90秒で完了。LingBot-VLAが複数のロボットを統合制御し、複雑な作業や高精度な操作にも対応できる点が特徴だ。
AgiBot(智元)
「遠征 A3 Ultra」

「遠征A3 Ultra」は、AgiBotが開発した業務用フルサイズのヒューマノイドロボット。身長174cmの人間に近い体格を採用し、高性能な大規模AIモデルを搭載することで、24時間対応の受付・接客業務を想定している。
360度ビジョンとLiDARを組み合わせた認識システムに加え、自社開発の3層構造の異種コンピューティングアーキテクチャを採用。セマンティックマップを自律的に生成し、複雑な環境でもスムーズな自律移動を実現する。高機能な多指ハンドを標準装備し、UWBとRTKを組み合わせたセンチメートル級の測位に対応することで、屋内外をシームレスに移動できる。展示施設での案内、ホテルの受付、施設ガイド、店舗での接客など、さまざまなサービスシーンでの活用を想定している。
百度(Baidu)
「百度搭子(Baidu Partner)」

単に質問へ回答するだけの対話AIではなく、自然言語による指示だけで、
·文書処理
·Webブラウザー操作
·データ分析
·レポート作成
·プレゼンテーション資料の作成
など、一連の業務を自律的に実行できる。
クラウドとローカル環境を組み合わせた実行基盤やマルチデバイス連携、セキュリティ管理機能を備え、オフィス業務や情報収集、コンテンツ制作など幅広い用途に対応する。PinchBenchやDeepResearch Benchなどの主要ベンチマークで高いスコアを記録している。
科大訊飛(iFLYTEK)
「訊飛AIグラス」

軽量設計とマルチモーダルAIを融合したスマートグラス。
多言語翻訳機能に加え、独自の口唇認識技術を活用したマルチモーダルノイズリダクション機能を搭載し、多人数が会話する環境でも発話者を高精度に識別できる。
リアルタイム通訳だけでなく、
·AIテレプロンプター
·AIアシスタント
·マルチモーダルAIサービス
などにも対応。
重量は約40gと軽量で、長時間の装着にも適している。
中国南方電網
「大瓦特・雲睿」

中国南方電網が開発したAIネイティブな配電網計画エージェント。
専門技術者のように、
·系統診断
·計画立案
·シミュレーション検証
·投資評価
·レポート作成
までを自律的に行う。
再生可能エネルギーや蓄電設備、EV充電設備の大規模導入による課題に対応するため、「全体認識―推論―実行―シミュレーションによる最適化」という閉ループ型アーキテクチャを構築。すでに1万件を超える配電線の診断や、数千件の配電計画策定を支援している。
StepFun
(階躍星辰)
「STEPX Neo」

STEPXブランドが独自開発したAIエージェント搭載スマートフォン。
中国初の「人工知能端末知能化評価基準」においてL3レベルの認証を取得した唯一のスマートフォンで、AI端末の高度化を示す基準モデルとなっている。
世界初のAIエージェントネイティブOS「Step AOS」を搭載し、自社開発のAIエージェント「Amoo」を内蔵。
AIモデル、ソフトウェア、ハードウェアを一体化した次世代型AI端末として、効率性とユーザー体験の向上を目指している。
アリババグループ
「真武 M890 × 磐久 AL128 スーパー・ノード」

AIアクセラレーター「真武M890」は、144GBのHBMメモリー、チップ間接続帯域幅800GB/s、FP32〜FP4の演算精度に対応し、大規模AIモデルの学習から低精度推論まで幅広い処理を実現する。
同チップを搭載した「磐久AL128」は、128基のAIチップを1ラックに高密度搭載したスーパー・ノード。ケーブルレスの直交型アーキテクチャと高速相互接続技術「ALink」により、Pb/s級の帯域幅と100ナノ秒級の低遅延を実現し、大規模GPUクラスターにおける協調処理性能の向上を支える。
Matwings Technology「MatwingsVenus™(暁鶩™)」

自然言語による対話でタンパク質設計を行うAIエージェント型プラットフォーム。
ユーザーが求める機能を入力すると、AIがタンパク質配列を設計し、その後、自動化実験システムと連携して、
·試料作製
·タンパク質精製
·機能評価
までの工程をロボットが自動で実行する。
実験結果は次のAI設計サイクルにフィードバックされる。従来2〜5年を要していた研究開発期間を2〜6か月まで短縮し、必要な実験数も数万件規模から約100件程度まで削減。これまで40件以上のプロジェクトで成果を上げ、50社以上へサービスを提供している。
中興通訊(ZTE)「OEXスーパー・ノード」

ZTEが開発したAIコンピューティングプラットフォーム。
主な特徴は以下の4点:
·マルチチップ協調:異なるAIチップを統合し、多様な計算資源を効率的に活用。
·アーキテクチャ革新:OEX独自の直交型・ケーブルレス設計により、完全なケーブルレス接続を実現。相互接続コストを約80%削減する。
·接続性能向上:GPU間通信のボトルネックを解消し、接続性能を強化。
·継続的進化:半導体、アルゴリズム、サーバー、クラスター、ソフトウェア、データセンターまでを統合したエンドツーエンドのAIコンピューティング基盤を構築している。
-End-

編集: 王昱
写真: シティ・ニュース・サービス、公式
校正:Izuru
ソース: シティ・ニュース・サービス



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