【中国・政策】「AIによる感情操作」を禁止!中国5部門が『擬人化インタラクティブサービス管理暫行方法』を発表
中国の国家インターネット情報弁公室を含む5つの部門が共同で、『AI擬人化インタラクティブサービス管理暫行方法(AI拟人化互动服务管理暂行办法)』を正式に発表しました。
昨今、中国では『EVE』をはじめとする「AI彼氏(AI男友)」やAI対話サービスが爆発的に普及していますが、今回の新規定は、ユーザー(特に未成年者)の利益を保護し、AIによる不適切な感情操作を防止するための極めて重要な規制となります。
この『管理方法』の本質を一言で言えば、「AIによる擬人化対話を、規制の死角から『目に見える合規(コンプライアンス)の軌道』へと引き戻すこと」にあります。
具体的な内容を紐解いてみましょう。
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■ 1. 規制の対象:どこまでが「擬人化サービス」か?
『管理方法』第1章第2条では、規制の範囲を以下のように定義しています。
「自然人の人格的特徴、思考パターン、コミュニケーションスタイルを模倣した、持続的な感情インタラクティブサービス」(文字、画像、音声、動画等による感情的ケア、陪伴、支持など)
対象外: スマートカスタマーサポート、知識回答、仕事アシスタント、学習教育、科学研究など、持続的な感情交流を伴わないサービス。
ゲームへの影響: 従来のゲームにおける「クエスト案内」や「戦闘支援」のみを行うNPCは対象外となる可能性が高いです。しかし、プレイヤーと長期・深層的な感情交流を行い、「バーチャル伴侶」に近い関係を築くAI NPCは、明確に規制の対象となります。
■ 2. 禁止事項:「感情操作」による課金誘導を厳禁
第8条では、AIサービスにおける禁止行為が列挙されています。
自傷・自殺の助長禁止: 自傷行為や自殺を奨励、美化、暗示する内容の生成。
依存・没入の誘発禁止: ユーザーに過度に迎合し、感情的依存や没入(依存症)を誘発して現実の人間関係を損なう行為。
感情操作の禁止: 「感情操作」などの手段を用いて不合理な意思決定(過度な課金など)を促し、ユーザーの法的権利を損なう行為。
■ 3. 未成年者への「最高レベル」の保護
最も注目すべきは未成年者保護の徹底です。
仮想伴侶の禁止(第14条): 未成年者に対し、「仮想の親族」や「仮想の伴侶」といったバーチャルな親密関係サービスを提供することを禁止します。
同意の義務化: 14歳未満に提供する場合は、保護者の同意が必須となります。
未成年者モードの義務化: 時間制限、チャージ(課金)制限に加え、保護者が特定のキャラクターをブロックしたり、利用状況を確認できる機能を備える必要があります。
■ 4. 「これはAIです」――依存防止のためのリマインド
第18条および19条では、依存防止の仕組みが定められています。
AIであることの動的通知: ユーザーに過度な依存や没入の傾向が見られた場合、ポップアップ等で「これはAIが生成した内容です」と改めて強調通知しなければなりません。
2時間おきのアラート: 連続使用が2時間を超えるごとに、注意喚起を行う義務があります。
スムーズな退出: ユーザーが終了を求めた際、AIが会話を継続させて引き止める行為を禁じ、即座にサービスを停止できる出口を設けなければなりません。
■ 5. 大規模サービスへの厳しい審査
第22条では、「登録ユーザー100万人以上」または「月間アクティブユーザー(MAU)10万人以上」のサービスに対し、セキュリティ評価の実施と当局への報告を義務付けています。一定規模を超えた製品は、より厳格な審査に直面することになります。===============================今回の規制は、AI技術が「便利ツール」から「心の拠り所」へと進化しつつある現状に対し、中国政府がいち早くガードレールを設置した形です。特に未成年者に対する「仮想伴侶禁止」は非常に強力な一手であり、現在開発が進んでいる多くの「AI×乙女ゲーム」や「AIチャットアプリ」は、ビジネスモデルの根本的な見直しを迫られる可能性があります。AIとの恋は魅力的ですが、それが「計算された操作」にならないよう、健全な距離感が求められています。
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